サッカー未経験者でもサッカーを語れる理由
最近、成松哲さんという教育ジャーナリストに注目しています。残念なことに、単著である『凶暴両親』の売り上げは芳しくないようですが・・・。いま話題の『日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で
』が売り切れで購入できなかったという人は、代わりに買ってみてはどうでしょうか?残念ながら『凶暴両親』は読んでないので、その内容をテキトーに書き散らし、紹介することはできませんが(笑)
※「これを買って読め!」というだけなら、誰にでもできるという証明。もちろん、冗談です。
成松哲さんが最近、ブログで面白い記事を書いていたので紹介します。サッカー観戦について、ほんの少しだけ触れています。
・ボクにも語れた教育論(三十路でアニメ)
今の学校の現状や「公」教育のあり方、お上の教育政策など、まるで知りもしないまま、めいめいの美しい(と信じ込んでいる)想い出と報道(の中でも自分に都合のいいもの)だけを根拠に私論をぶっているだけ。こんなもの、夜な夜な飲み屋の酔客どもがプロ野球やサッカーナショナルチームの采配を云々するのと同じ。あれも、ガキのころの草野球や体育の授業のサッカーの経験とスポーツ新聞の記事をもとに、プロフェッショナルの仕事に対して知った風な口を利いているだけなんだから。
全文を読んで頂ければ、私が抜粋した部分がいかに重箱の隅か分かります。しかし、重箱の隅というのは意外と気になる物なのです。
スポーツ観戦の魅力は、まさにプロフェッショナルの仕事に対して知った風な口を利けることです。各クラブや日本代表での練習、Jリーグの試合など見なくても、「俺だったら、4-3-3の攻撃的な布陣を採用する」とか「俺ならば、三浦知良を代表に選んで、若い選手に気合を入れてもらう」とか、好き放題に論じることができます。逆説的に言えば、そうした無責任な意見やプレッシャーに耐えるのも、プロ選手の仕事なのです。
最近、日本サッカー協会会長・犬飼基昭氏が「大分と千葉は、天皇杯をベストメンバーで戦わなかった。けしからん」という趣旨の発言をしました。日本サッカー協会会長と聞くとサッカーのことは何でも知ってそうな肩書きですが、冷静に考えれば、ペリクレス・シャムスカ氏(大分監督)やアレックス・ミラー氏(千葉監督)の監督手腕や経験に比べれば、その知識や経験は素人にも等しいといえます。
素人がプロフェッショナルの仕事に対し、好き勝手に語る。この点は全く問題ないと思っています。しかし、制裁だ何だと権力を振りかざすのはみっともない行為だと思います。
閑話休題。そう考えると、たまに出てくる「サッカー未経験者はサッカーを語るな」という言説が、いかにも間抜けに思えてきます。プロスポーツとは、究極的には素人の興味や関心をお金に換えるビジネスなのですから、その部分を否定するのは、あまりにも稚拙ということです。
一方で素人は、スポーツ新聞の記事や解説者といった“代弁者”を求めています。足しげく練習や試合に通っている記者の記事とか、元スポーツ選手の言葉といった“権威”を借りて、素人はプロフェッショナルの仕事に対し、好き勝手に語るのです。その意味でも、コメント欄の名無しが「サッカー未経験者はサッカーを語るな(俺はサッカー経験者だから語る)」というのが、いかに愚かな行為かが理解できるかと思います。“権威”のない人間の言葉など、素人は求めていないのです。
教育論に関しては、中途半端な「当事者意識」が、事態を混迷させているのかもしれません。しかし、プロスポーツに関しては「当事者意識」を植え付け、お金に換えることが重要視されます。サッカーに関する知識がない人でも「日本がW杯に出て欲しい」「試合中に根性を見せて欲しい」と思わせ、関心をひくことは可能なのです。実際、サッカーのルールを知らない人でも共感できるような“応援”を解説と評しているサッカー中継が、高い視聴率を得ていたのです。
サッカー人気を回復するには、どの層に訴えかけるのがベストか?このまま進めていくと、そういう話になりそうなので、今回はここまでとします。
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